こんにちは、にしこです。
前回の記事では、掃除のしやすさから見た浴室ドアの選び方をまとめました。
掃除しやすい浴室ドアの比較記事はこちら↓

今回は少し視点を変えて、老後や介助を考えた安全な浴室づくりについてお話しします。
開き戸の危険性:老後に使える?
前回の記事で「掃除のしやすさなら開き戸!」と書きましたが、実は老後を考えると不安もあります。
【開き戸が老後にリスクになりうる理由】
- 開閉動作が大きいため、腕や体を大きく使う必要がある。
- ドアを引くため、少し離れた位置から操作が必要になりバランスを崩すしやすい。
最近のユニットバスには「緊急着脱機能」があり、万が一浴室内で倒れても外からドアを外して救助が可能です。(※機種ごとの確認は必要)
それでも日常的には、やはり引き戸や折れ戸の方が安心といえます。

実際に、先日私の患者さんも、介護保険を使って開き戸から折れ戸に変更していました。
開き戸を老後も安全に使うための配置と工夫
それでも私は「掃除のラクさ」も重視したいので、開き戸で安全に使う工夫を考えてみました。
安全に入浴できる浴槽とドアの配置はコレ!



ポイントは 「浴槽を奥に配置する」 ことです!


右図の場合
- 移動距離が短くなる
- ドアの開閉範囲が小さくてすむ
- 出る時に、座ったまま体の向きを変えてドアを開けることが可能
また、こんな配置も可能です↓


家づくりの際は、「浴槽が奥」の配置に加え、以下の工夫をおススメします。
- 1616サイズ(1坪タイプ)にする → 移動距離が短く、手すりや水栓に手が届きやすい
- 既存のカウンターは付けない → 必要に応じて小さめの棚を後付け
- ドアの開く角度を広げる(例:パナソニック「スキットドア」は80度→90度/100度に変更可能)
実際に体の動きが悪くなったら、シャワーチェアを購入
高齢になり、実際に体の動きが悪くなったら、以下の工夫も取り入れましょう。
- 介護用シャワーチェア、滑り止めマット、浴槽台など必要な福祉用具を購入
- 手すりの設置(介護保険で設置可能)
- シャワーフックを後付けマグネットにする→とりやすい位置に調整
- シャワーを手元ボタン式にする→水栓が届きにくい時すぐに止められる。


ひじ掛けつきにするなら、跳ね上げ式がおススメです。
小さな工夫の積み重ねで、安全性はかなり高まります。
実際にやってみると、入浴動作の安心感がぐっと高まりますよ。
浴室ドア有効幅と車いす通過の注意点
先ほど、1616サイズの浴室で、車いすの前方を少し浴室に入れて移乗する方法を提案しました。
浴室ドア開口幅と車いすのサイズの比較
- 一般的なユニットバスの1616サイズのドア有効開口は650~700mm程度
- 折れ戸の場合、折りたたみ部分の厚み(70~90mm)で開口が狭まる可能性がある
- 標準的な車いす(JIS基準で概ね横幅630mm前後)ならギリギリ通過可能
ただし、これは“理論値”です。
実際の機器・仕様・設置条件・開口幅など、必ずカタログやショールームで確認してくださいね。
また、多くのユニットバスでは、浴室ドアの段差も5㎜以下に抑えられており、車いすの小さなキャスターでも乗り越えやすく、国のバリアフリー基準にも準拠しています。



車椅子使用など身体能力が大きく低下した場合は、デイサービスなど介護サービスを利用して入浴することがおススメです。
ただ、サービスがお休みなどで自宅で入る場合、配置の工夫が役にたちます。
日常的に車いすで入浴する場合
メーカーやリフォームのガイドラインでは、車いす利用や介助を前提とするなら 1.25坪(1620サイズ)以上 が推奨されています。
また、国のバリアフリー設計基準では、車いすの移動は、
- 幅80cmで通過可能
- 幅90cmで通行しやすい
とされています。
自宅での日常的な介護を想定するなら、有効開口は800mm以上を目安にすると安心です。
詳しくは以下をご覧ください
まとめ|「掃除」と「安全性」の両立を
- 掃除のしやすさと老後や介助を考えるなら
→開き戸+「配置と工夫」で安全性アップ - 車いす利用を前提とするなら
→ 浴室の広さ・開口幅を必ずチェック
浴室ドア一つとっても、掃除のしやすさ・価格・安全性など、いろいろな視点で選ぶことができます。
浴室は毎日使う場所だからこそ、家族構成や将来を考えて選ぶことが大切だと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました✨
掃除しやすさに特化した浴室ドアの比較記事はこちら↓


次の記事はこちら↓


コメント