こんにちは、にしこです!
リノベーションや新築でキッチンを選ぶとき、多くの人が悩むのが「ワークトップの高さ」です。
低すぎると腰が痛くなり、高すぎると作業がしづらい…
一度決めると後から変えられないため、慎重に考えたいポイントです。
わが家は私が154㎝、夫が172㎝。85㎝のキッチンを採用していますが、夫にはやっぱり低め…
今回は、理学療法士の視点から、キッチンのワークトップの高さの選び方や、動作の工夫をまとめたいと思います。
わが家のようにキッチンの高さに悩んでいる方、夫婦で身長差がある方など、参考にしていただけると嬉しいです♪
キッチンのワークトップの高さの基準|日本と海外の基準
一般的に、キッチンの高さは「身長÷2+5㎝」を基準に決めると良いと言われています。
この計算式は、立って作業をする時に腕が自然な角度で曲がる高さです。
ちなみに、海外では「肘の高さー10㎝」を基準にしています。
身長が同じでも、人によって手足の長さや姿勢は違います。そのため、肘を起点として高さを決めています。

ただ、自分の肘の高さを知ってる人って少ないですよね?
だから、簡単な「身長÷2+5㎝」がよく使われているようです。
なぜ基準だけでは不十分なのか



それじゃあ、海外の計算式で計算すれば、それでOKじゃないの?
数値はあくまで目安です。実際にショールームなどで、高さを確認したり、家事動作を試してみることが大切です。
ショールームに行く時は、靴の高さにも注意してください。スリッパを借りたり、なるべく自宅と同じ環境で確認しましょう。
ただ、日本のシステムキッチンは、80~95㎝の5㎝刻みが多く、自分にピッタリの高さに設定できるとは限りません。(2.5㎝刻みや、オーダーメイドの場合は細かい調整も可能)
また、家事を家族など身長が違う人と協力して行う方も多いですよね?そんな場合、どちらに合わせるとよいのか… と悩むところです。



難しいですが、基本的には一番キッチンを使う人の高さにあわせるとよいでしょう。
わが家も私の高さを基準にしました!
切る・炒める・洗う、それぞれベストな高さは違う!
実は、作業スペースごとに、適した高さが少しづつ違います。
作業台(切る・混ぜる)
- 高すぎると、固いものを切るときなど、力が入りにくい。
- 低すぎると、腰を曲げないといけない。
今後、立っての作業がきつくなったら、椅子に座っての作業がおススメです。
キッチンの近くに、ちょっとした椅子と机を置くスペースを確保しても良いと思います。
元気な間は趣味スペース、高齢になったらそこを料理の作業台に。私は、次の家づくりではぜひ導入したいと思っています。
コンロ(炒める・鍋を扱う)
- 菜箸などのキッチンツールを使うため、少し低めでも大丈夫。
- 高すぎると、大鍋などを持ち上げる動作が大変(特に鍋の持ち手は位置が高い)で肩や肘に負担がかかる。
- IH/ガスで適切な高さが変わる。ガスは五徳の分(3㎝ほど)高くなるので注意!
シンク(洗い物)
- シンクの高さは、作業台からさらに18~20㎝深い。
- 低すぎると、腰を曲げる角度が大きくなり負担になりやすい。高身長ほど腰痛リスクが大きい!
- 食器洗いは作業時間が長い。手は動かすが体幹の動きが少ないので腰がこわばりやすい。
身長差への対応と調整方法
- 低身長 (腕を上げての作業になりやすい)
厚底スリッパを使う。
厚めのキッチンマットを使う。
低めの台や雑誌などの上に乗る。 - 高身長 (腰を曲げての作業になりやすい)
厚めのまな板を重ねて使うなど、作業台を高くする。
シンクで作業する場合、水栓の吐水口の位置をなるべく自分に寄せる。



ちなみに、身長にかかわらず、作業はなるべく自分の体の近くで行うと体への負担が少ないです。
腰に優しい食器洗いの姿勢・動作の工夫
理学療法士として、患者さんにもよく指導しているのが、「姿勢の工夫」です。
実は、病院や介護の現場で、料理中の困ったこととしてよく聞くのは、「お皿洗いをしていたら、腰が痛くなるんです。」というお話です。
食器を洗う時間って、けっこう長いですもんね。
そこで、今回は、私が実際に患者さんに指導している「食器洗いの姿勢」を紹介します!


右図のように、足を肩幅より少し広く開き、軽く膝を曲げると腰の位置が低くなり、体を曲げずに洗うことができます。


また、左図のように両足を大きく開く。右図のように片足を少し前に出す。なども効果的です。
その他にも、片足を交互に前に出し雑誌の上にのせる、膝を少し曲げて揺らす、など作業中に同じ姿勢で固まらないようにすることも大切です。



ポイントは、腰~背中は曲げたりそったりしないようにすることです。ちなみに、私は両足を大きく開くスタイルがラクです。
まとめ|「高さ選び」より「姿勢の工夫」が大事
キッチンの高さは、「身長÷2+5㎝」など基準はありますが、作業内容や姿勢のクセでベストな高さは違います。
すべての作業場所を最適な高さにすることは難しいため、実際に各々のスペースで動作を試し、優先順位を決めてみてください。
そして、高さを決めたら、後は「どう姿勢を工夫するか」考えましょう。
ぜひ一度、ご自宅のキッチンで、試しに姿勢を変えて実感してみてくださいね。
元気なうちから「身体に負担をかけない工夫」をしておくことで、長くラクに家事が行えると思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました✨
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