にしここんにちは、にしこです。
12年前のリノベーション時、私は「リビング階段」にとても憧れていたんです。
しかし、現実には
「構造的に階段の位置を大幅に変える必要がある」
「そこまで大規模な工事になると、思った以上に費用がかかる」
という事情から、“コスパが悪い”と判断して、リビング階段導入を断念しました。
それから12年。むしろ「リビング階段にしなくてよかったかも」と感じています。
今回は、その理由と、実際に暮らしてみて感じたことを整理してみます。
リビング階段に憧れた理由


リノベーション時、子ども達はまだ保育園に通っていました。
まだまだ「ママ、ママ」と甘えてくれる子供達も、これから成長し思春期を迎えます。
思春期になると、部屋にこもってなかなか出てこない子もいるらしい…
そんな時、必ずリビングを通る動線にすることで、「自然と顔を合わせる機会が増えるのでは?」と考えたんです。
リビング階段があることで、反抗期が軽くなれば… なんて期待も。
また、リビングと階段・吹き抜けを組み合わせれば、空間の開放感も出てオシャレ。
そんなデザイン性の魅力も感じていました。
リビング階段を断念した理由(構造とコストの現実)
しかし、実際にリノベーションを検討すると、階段の位置を現状から移動・変更することは、構造補強・床の張替え・壁・手すり・仕上げなどトータルで費用が跳ね上がるという見積りになりました。
加えて、階段をリビングにするためには、動線や家具配置、照明・空調の見直しもしなければなりません。
「この金額を使って他の改善(収納増・断熱改善・設備更新など)にあてた方が暮らしの質を高められるのでは?」
と徐々に私たちの考えも変わってきました。
結果として、リビング階段には憧れながらも、
「今の階段位置はそのままで、別の工夫をする方がコスパが良い」
という結論に至り、断念することにしました。
実際に12年暮らしてみて感じたこと(メリット・デメリット)
暮らしてみて感じたのは、「リビングを通らなくても、家族の気配はちゃんと感じられる」ということでした。
むしろ、私にとってはメリットの方が多かったんです。
義母の友人が来られた時など、一度あいさつをすれば、気をつかわずに2階と玄関を行き来できます。
これがリビング階段だったら、来客のたびに通りづらくて、かえって気をつかっていたかもしれません。
また、感染症が流行った時期には、この動線がとても役立ちました。
リビングを通らずに2階の部屋に行けるおかげで、家族内での動線を分けやすく、自然と“隔離”ができたんです。
さらに、料理のにおいが2階まで上がらないのも大きなメリットでした。
カレーや焼き魚の日など、キッチンのにおいが残りやすい日は、「階段が別でよかったなぁ」と感じます。
子どもとの関係は?リビング階段がなくても自然に集まる理由
子ども達がリビングで過ごしやすくなる、わが家の工夫
リビング階段にしなかった分、「子どもがリビングに来なくなるのでは?」と少し心配していたのですが、結果的にはまったくの杞憂でした。
わが家の子どもたちは、小さい頃からリビングで過ごす時間が多く、特に下の子(中3)は、寝る時以外ほぼリビングにいます(笑)
その理由を考えてみると、たぶん“居心地のよさ”なんだと思います。
- リビングには家族みんなの本棚があって、漫画や本、参考書がそろっている。
- 図書館で毎週のように本を借りて、その本を収納する場所がある。
- おもちゃやカードゲーム、パソコン、テレビゲームがある。
- 家族の会話が多く、お笑いやテレビ、漫画など共通の趣味もあり会話のネタに事欠かない。
思い返すと、子供達が楽しく過ごすものが、ほぼリビングにある状態だったんです。
そして、リビングの一角には、各自の勉強コーナーを作ったことも大きかったと思います。
子供達には、それぞれ6畳の自室がありますが、結果として中学生の息子は今でもリビングで勉強。
高校生の娘も、中学生まではリビング、高校生になってからは、部屋とリビングをその日の気分で使い分けて勉強しています。
必然的に、リビングでは夜9時ごろになるとテレビを消して、各自勉強したり、本を読んだり、おしゃべりしたり、パソコンをしたり…
私たちがテレビを見る時間は減ってしまいましたが、子ども達にとって、よい生活リズムを作ることができたのではないかと思います。
リビングで勉強や作業をする習慣がついたのは、家族の空気を感じながら過ごせる空間だったからかもしれません。



先日は、高校生の娘がリビングで友人と勉強会をしていました。
子供達が、友人を呼んで遊べる広さのリビングだったことも良かったと思います。
リビングの仕様で、少し後悔していること
子ども達が大きくなった時に、本を読んだり勉強したりできるよう、
リノベーション時に、リビング天窓の下に
「長さ240cm×奥行き45cmのカウンター」を造作していたんです。


カウンターで勉強や読書ができると良いなと思っていました。
ただ、勉強机にしては奥行きが狭くて…
結局、勉強スペースとしてはあまり使われませんでした。
今では、勉強道具が並べられていたり、荷物置きになっていたりします。
小学生のうちは、カウンターの下に棚を入れて教科書とランドセル置き場を作っていました。
造作で動かせないため、下に入る棚を探すのが大変だった記憶があります。
結局、リビングのテーブルを端に寄せて、そこを子どもの作業スペースにしたら、意外としっくりきました。
また、広いダイニングテーブルで勉強していることもあります。
今思えば、カウンターをつくるより、それぞれのリビング用の勉強机を購入してもよかったのかな、と思います。
その方が、成長に合わせてフレキシブルに対応できそうです。
ただ、このカウンター。
ダイニングテーブルのすぐ横なので、ちょうどよい一時置きにはなるんですよね…
ズボラには、良くも悪くも助かる仕様ではあるかもしれません。
間取りよりも「過ごし方」を意識することが大切だった
リノベ時は、“間取りをどうするか”ばかりを考えていましたが、今思うとそれよりも「どんな時間を過ごしたいか」を考える方が大事だった気がします。
リビング階段がなくても、家族が自然と集まる空間はつくれるし、逆にリビング階段があっても、みんながそれぞれの部屋にこもってしまうことだってあります。
暮らしてみてわかったのは、“家族が集まる理由”は階段の位置ではなく、
- リビングに何があるか
- どんな空気が流れているか
- 家族が安心して過ごせるか
そんな小さな要素の積み重ねなんだと思います。


まとめ|流行より「自分たちの暮らしに合うかどうか」
リビング階段は今も人気の間取りのひとつで、開放的でおしゃれな空間に仕上がるのが魅力です。
でも、「流行だから」「子どもとの会話が増えそうだから」という理由だけで決めてしまうと、実際の生活とのズレが出てしまうこともあります。
わが家の場合は、結果的にリビング階段にしなくて正解でした。
来客時も気をつかわず、においや音の問題も少なく、何より家族が自然にリビングで過ごす時間が多い。
「階段をどこにするか」よりも、「リビングをどんな場所にしたいか」を考えることの方が、ずっと大事だったなと思います。
リビング階段は素敵な間取りですが、暮らし方によって“正解”は人それぞれ。
これから家づくりやリノベを考えている方の参考になればうれしいです♪
最後までお読みいただき、ありがとうございました✨
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