にしここんにちは、にしこです。
家づくりやキッチン計画をするとき、
冷蔵庫や食洗機の位置はしっかり考えても、
「炊飯器の置き場所」まで深く考える方は少ないのではないでしょうか。
でも実は、炊飯器の位置は、年齢を重ねたときの腰や肩への負担に直結します。
私が仕事で関わっている利用者さんの中には、
高齢になって一人暮らしになり、料理が大変になっても、
- おかずは宅配サービスや総菜を利用
- それでも「お米だけは自宅で炊いて食べたい」
という方が、少なくありません。
だからこそ、「炊飯」は老後も続きやすい家事のひとつ。
その動作を、できるだけ体に負担の少ない形で行えることは、とても大切だと感じています。
炊飯で意外と負担になる「内釜の重さ」


炊飯器の内釜は、意外と重さがあります。
お米と水を入れると、3~4kg近くになることもあり、
この内釜を
- シンクで洗う
- 持ち上げる
- 炊飯器にセットする
という一連の動作は、腰や肩に負担がかかりやすいポイントです。
特に、炊飯器をキッチンのワークトップの上に置いている場合、
ワークトップの高さ
+
炊飯器本体の高さ
この分だけ、内釜を持ち上げる必要があります。
若いうちは問題なくても、
年齢を重ねて筋力が落ちてくると、意外とこの動作がきつくなってくるんです。
なみに、キッチンのワークトップの高さは、
毎日の家事のしやすさや、将来の体への負担にも大きく関わります。
キッチンの高さについては、こちらの記事で詳しくまとめています↓


おすすめは「シンク横・少し低め」に炊飯器を置くこと
そこでおすすめなのが、
シンクの横に、ワークトップより少し低い台を置き、
その上に炊飯器を置く配置です。
イメージとしては、
- キッチンワークトップの高さ
- 炊飯器の上部の高さ
この2つが、ほぼ同じになる配置。
そうすると、
- シンクでお米を研ぐ
- 内釜をワークトップに持ち上げる
- 高さを変えずに、横にスライドして炊飯器へセット
という動線がつくれます。
「持ち上げる → 下ろす」ではなく、
「横に動かす→下ろす」になるので、
腰や肩への負担がかなり軽減されます。
内釜を持ち上げるときの、ちょっとした工夫
動線とあわせて、動作そのものも少し工夫すると、さらに楽になります。
- シンクの中で研いだあと、内釜はできるだけ手前に寄せてから持ち上げる
- 釜を持つときは、肘を曲げて脇を閉める
- 体から離さず、できるだけ体に近づけて持つ
これだけでも、腰への負担はかなり変わります。
わが家の炊飯器配置と、将来を考えて気づいたこと
ちなみに、わが家のキッチンは対面キッチンで、
- 奥:コンロ
- 手前:シンク
という配置です。
炊飯器は、対面キッチンの背面にあるカップボードの上の奥、
高さはキッチンのワークトップと同じ位置に置いています。
今のところ、特に「きつい」と感じることはありません。
ただ、日々の仕事で高齢の方の暮らしを見ていると、
この「数歩の距離」と「向きを変える動作」、「釜を持ち上げる動作」は、老後には負担になりそうだな…と感じるようになりました。
「ここに置けたらよかった」と思った場所


わが家のキッチンは、
壁→コンロ→作業スペース→シンクという配置です。
シンクの右側にも約20cmほど作業スペースがあり、その横が通路です。
その通路部分に、ワークトップより約20cm低い小さめの台を置いていて、
現在は細々したキッチン用品を置いています。
ふと、
老後は、ここに炊飯器を置けば
・動線が短い
・高さも低くて楽
・蒸気のたびに引き出す必要もない
と気づきました。
リビングからもアクセスしやすいので、家族によそってもらうのも楽そうです。
ただし失敗したことが… コンセントがない
ここで一つ、完全な盲点がありました。
コンセントがない。
設計段階で、
将来、ここに炊飯器を置くかもしれないから
対面キッチンの腰壁側面にコンセントをつけておく
という発想ができていれば…と、少し後悔しています。
シンク横にスペースが取れる方は、
「炊飯器用コンセント」をぜひ忘れずに計画しておくことをおすすめします。
見た目が気になる場合は?
シンク横はリビングから見える位置になることも多いので、
- 炊飯器が見えるのが気になる
- 生活感を出したくない
という方もいると思います。
実際、わが家はカップボードの奥に置いているため、リビングからは見えず、見ためはスッキリ。
ただ、最近はデザイン性の高い炊飯器も多いですし、
使わないときだけクロスをかける、という方法もあります。
「便利さ」と「見た目」、その時の体の状況に応じて、
どちらを優先するかはご家庭ごとに選べばよいと思います。
まとめ|炊飯は、老後も続く家事だから
高齢になっても、
「お米を炊いて食べる」という習慣は、意外と長く続きます。
だからこそ、
- 炊飯器の置き場所
- 内釜を持ち上げる高さ
- シンクからの動線
を、少しだけ意識しておくと、
将来の体への負担は大きく変わります。
そして、将来置くかもしれない場所には、コンセントをつけておくことをおすすめします。
以前書いた「キッチンの高さの選び方」の記事とも合わせて、
ご自身のキッチンをイメージしながら、考えてみてくださいね。
キッチンの高さの選び方の記事はこちら↓


最後まで、お読みいただき、ありがとうございました✨







